【東京藝大出身】クラリネット練習方法や緊張した時の対処法について解説。クラリネッティスト 福井喬文 [アーティストインタビュー Vol.6]
「音楽で日本を盛り上げる」というミッションのもと、SHAREMUSICA運営チームが毎月行うアーティストインタビューの第六回が、2024年11月1日に行われました。
今回協力いただいたアーティストは、東京藝術大学を卒業し、大阪でフリーランスクラリネッティストとして活躍する「福井喬文」さんです。
Youtubeでは福井さんの演奏と一緒にインタビュー全編を見ることができるので、是非ご覧ください!
福井さんには、SHAREMUSICAから演奏依頼していただけます!
経歴について
―― はじめに、自己紹介と経歴について聞かせてください。
大阪府出身で放出中学校というところから、東京芸術大学附属音楽高等学校、
いわゆる藝高というところからそのまま東京藝術大学音楽学部を卒業しまして、今フリーランスとして活動しております。
―― (東京にいた頃は)一人暮らしですか?
高校生の時は姉と二人で住んでいたんですけれども、大学生になってからは一人で生活していました。
福井さんのコンクール歴について
―― ありがとうございます。コンクール歴とかもぜひお聞きしたいのですが…
吹奏楽の連盟や指導者協会がやっている、ソロコンテストの全国大会で一位を当時中学3年生の時に取らせていただきました。
あとは同じ中学3年生の時に「ヤングクラリネッティストコンクール」という若手クラリネット演奏家の登竜門みたいなコンクールがあるんですけれども、ジュニアB部門という中学生から高校生くらいまでの部門で1位をいただいきました。
使用されているクラリネットについて
―― 使用されているクラリネットについてお聞きしたいです!
ビュッフェ・クランポンというメーカーの「Légende」という楽器を使っているんですけれども
ビュッフェ・クランポンのクラリネットには大体2系統あって、RC系統とR13系統という2つの異なる系統があるんですけれども、今のところこの2つ合わせたいいとこ取りのハイエンド機種となってます。
何か回し者みたいですね(笑)
―― ありがとうございます。ケア方法とか調整とかってどんな感じでされていますか?
こだわってる部分はクラリネット奏者みんなそうかもしれないんですけど、楽器ももちろんすごい大事なんですけど、この上にある3つがすごい大事なんですよね。
このマウスピースとリガチャーとリードっていうのはすごい大事で、マウスピースは僕は結構ありきたりな「ブラックダイアモンド(BD4)」という機種を使ってるんですけれども。
といってもリガチャーも結構ありきたりなロヴナーの「VERSA」というリガチャーを使っておりまして、
僕は結構この組み合わせがすごい好きで、ずっと使ってます。
練習方法について
―― 日頃どのように練習に取り組んでいますか?
普段はまず一番最初にフォルテッシモのロングトーンをするっていうのを必ずやってますね。
響きの大きい音を出せばいいというわけじゃないんですけど、やっぱり管楽器って、息を流し込むフィジカルな割合が結構大きいです。
「息」っていう限られたリソースをいかに使うかっていうのが、管楽器なんですけども
フォルテッシモのロングトーンをすることによって、どれくらい楽器がちゃんと鳴ってくれてるのかなっていう、自分の調子のパラメーターみたいなのをいつもそれで測ってますね。
いつもよりすごい響きが良く鳴っていたら「今日は調子がいいんだな」ってなったり、
逆にちょっと練習がちゃんとできてなかったりっていう日が続いたりすると、
やっぱり音の鳴りや楽器の鳴りも悪くなりますし、自分自身の息の流れみたいなのもちょっと損なわれるので、
そうなったらまずフォルテッシモのロングトーンをして、楽器にも響きをちゃんと思い出してもらって、
自分の息の流れも思い出してもらうみたいなことを一番最初にいつもしてますね。
―― ありがとうございます。他に効果的だと思う練習方法は他にありますか?
クラリネットだったら倍音の練習っていうのをいつもお勧めしてますね。
そう言ってもあまりピンとこないですよね。(見本を)やった方がいいですか?
―― ぜひお願いします!
(この練習方法についてはYouTubeでご覧ください)
管楽器って同じ指で倍音がいくつか鳴るんですけれども、基本的にクラリネットはこのレジスターキーというものがありまして、これを押すと(ミからシの)12度上がります。
なのでレジスターキーを押すことによって倍音っていうのは鳴るんですけど、これを押さずに倍音を、その上の倍音を鳴らしていくっていう練習法がすごい効果的だなと僕は思うので、たまにやっぱり自分の生徒にはやらせたりとかはよくします。
本来だったらこのレジスターキーを押したり、替え指を使って倍音というものを鳴らすんですけど、
それを使用せずにすることによって、口内の圧力とかをコントロールすることってなかなか意識しづらいんですけれども、
このレジスターキーを使わない、補助輪を外した状態でやることによって、口の中のコントロールを自覚するという練習方法を
個人的におすすめしています。
―― ありがとうございます。
緊張について
―― (本番で)緊張はされますか?
(緊張)した時はすごい極端なことを考えるようにしています。
緊張する時って、不安なことがあったり、「間違ってたらどうしよう」とか…
コンクールとかオーディションってなると今後の自分の人生がかかってしまうみたいなシーンが、たくさんあると思うんですけど、そうなっても、失敗しても、地球は滅びないなと思って吹くようにしてます。
最大のプレッシャーだと思うんですよ。失敗したら地球が滅びるって。
自分が70億人の命を背負うことになるんで、すごいプレッシャーだと思うんですけど、それに比べれば自分の人生なんて70億分の1なんで、「すごい気楽にやれるな」っていう心の持ちようで、本番とか挑むようにしてますね。
本番の日のルーティン
―― 本番の日のルーティンはありますか?
前日はいっぱいありますね。
寝不足だと息が浅くなると演奏に直結するんですね。
クラリネットだったり、管楽器っていうのはその寝不足が演奏に直結しちゃうので、できるだけ深い眠りを前日のルーティンをこなすことによって、ちゃんとしっかり寝て、朝スッキリ起きるってことをすごい意識してます。
例えば、前日どんなに忙しくても絶対30分はランニングをするとか、無理やり体を疲れさせる。
銭湯に行ってサウナで整って、寝るためにはビタミン剤だったり、なんか色々サプリメントを寝るために「亜鉛」だったり「マグネシウム」だったりっていうのを飲んだり。
最後におまじないなんですけど、「ヤクルト1000」ってよく眠れるっていうので、「ヤクルト1000」を飲んでしっかり時間をとって寝るようにしています。
―― すごい!アスリートみたいですね。
今後の活動について
―― 今後はどういうお仕事がしたいなどありますか?
小学校の卒業文集に将来は「オーケストラのプレイヤーになりたい」って書いてしまったもので。
それにずっと縛られてオーケストラのプレイヤーになりたいなとずっと思ってますね。
色々オーディションを受けたり、実際にオーケストラの仕事もちょこちょこあったりはするんですが、
やっぱり楽団に入って定期的にオーケストラを勉強するっていうのは、やっぱり仕事だけじゃなくて人生としてもやっぱり大きな目標です。
音楽が、オーケストラがすごい好きなので、そこに向かって、頑張っていきたいなと思ってます。
子供達や演奏家を目指す方に向けたメッセージ
―― 最後に子供達や演奏家を目指す方に向けたメッセージやアドバイスがあればお願いします!
とにかく音楽が好きなことが一番大事ですね。
音楽が好き、何か演奏したいとか、「音楽がしたい」っていう気持ちが一番大事だと思いますね。
そこをクリアしたら、ぜひピアノとソルフェージュをたくさんやっていただけたらなと思います。
ピアノとソルフェージュがちゃんとできる人が上に行きます。
これは本当にそうだと思います。
僕は、中学生の時に(ピアノとソルフェージュを)サボったせいで今苦労しています(笑)
―― ソルフェージュは例えば聴音とかのことですか?
聴音もそうですけど、やっぱり歌が一番大事じゃないですかね。
自分がやりたい音楽を歌で表現できるっていうのは、人間の一番根源的な芸術表現だと僕はすごい思うので。
歌だけじゃないですけど、リズムだったりっていうのもありますけど、歌で自分のやりたいメロディーを歌えるっていうのは直結して
ピアノだったり、バイオリンもそうですけど、そのまま直結するんじゃないかなとすごく思うので、「歌えること」っていうのがすごい大事かなと思いますね。
演奏されていることが今何を行われているのかっていうのをちゃんと耳で分析できる……まぁ難しいですけどね。
それはおいおいになると思いますけど、そういう努力も大切だなと思いますね。
―― 素敵なアドバイスをありがとうございます!
福井さん、この度はインタビューに真摯にお答えいただき、誠にありがとうございました。
福井さんの素晴らしい音楽観や練習方法について詳しく聞かせていただき、とても有意義な時間を過ごすことができました。
これからのさらなるご活躍を、心よりお祈りしています。
また機会がありましたら、ぜひお話をお聞かせください。応援しています!
福井さんには、SHAREMUSICAから演奏依頼していただけます!
この記事でご紹介できなかった部分に関しては、Youtubeインタビュー動画の方でご紹介しています。
もし良ければ、ご覧ください!
この記事へのコメントはありません。